知識集約型社会を支える人材育成事業 インテンシブ・イシュー教育プログラムのモデル展開

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千葉大学主催でシンポジウム『多分野を総合する力を育むイシューベースの教育と課題解決型人材育成』を開催しました。

令和5年2月16日(木)14:00~16:30に、千葉大学「インテンシブ・イシュー教育プログラムのモデル展開」シンポジウム/千葉大学全学FD研修会『多分野を総合する力を育むイシューベースの教育と課題解決型人材育成』をオンラインで開催し、本学教職員のほか、他大学の教職員、日本学術振興会、民間企業等から、多くの皆様にご参加いただきました。

はじめに、小澤弘明副学長(大学院国際学術研究院長・教授/国際教養学部長)より、開会挨拶を兼ねて、「国際教養学部の7年―教育改革の観点から―」と題した講演が行われました。その中では、2016年に新設された国際教養学部の特徴や基本理念について紹介がありました。特に、全学の教育改革を先導していくパイロット学部としての位置づけや、文理混合による課題解決型教育について説明があり、今回の「インテンシブ・イシュー教育のモデル展開」の取り組みも、その延長線上にあることが示されました。

続いて、八木絵香教授(大阪大学COデザインセンター)による講演、「社会的課題と専門領域をつなぐ教育―副専攻としての科学技術社会論―」が行われました。八木教授の講演では、大阪大学における大学院のプログラム、「公共圏における科学技術・教育研究拠点(STiPS)」において、科学技術と社会をつないで問題を解決できるような人材を育成するために、どのようなプログラムが組まれ、また具体的な教育が行われているかを紹介いただきました。その際、千葉大学の国際教養学部の取り組みとも対比させながら、「専門」の位置づけや「社会的課題」の取り上げ方について詳しく説明いただきました。

続いて、片桐大輔教授(学術研究・イノベーション推進機構(IMO))から、「大学発イノベーションへの期待―教養の重要性の観点から―」と題した講演が行われました。片桐教授の講演では、自身のキャリアや過去のイノベーション事例も紹介いただきながら、大学発イノベーションにおいて「教養」が重要な役割を果たすことともに、それは「本質を理解することができる力」及び「困難を乗り越えることができる力」という2つの力を与えるということを指摘いただきました。

休憩をはさんで、和田健教授(大学院国際学術研究院 副研究院長/国際教養学部 副学部長)及び小泉佳右准教授(大学院国際学術研究院 准教授/全学教育センター 副センター長)より、事例報告「インテンシブ・イシュー教育プログラムのモデル展開(II-BEAT)について」が行われました。和田教授からは、II-BEATの全体像や特徴的なカリキュラム構成について説明がありました。続いて小泉准教授から、本事業により運用が刷新された科目や、授業担当教員の声、モジュールコースや特別プログラムなど、令和4年度の取組について紹介がありました。

最後に、神里達博教授(大学院国際学術研究院 教授/大学院総合国際学位プログラム長)をモデレーター、ご講演いただいた八木教授・片桐教授・和田教授・小泉准教授をパネリストとして迎え、「多分野を総合する力をいかに育むか」をテーマにしたパネルディスカッションが行われました。その中では、「教養」を一つのキーワードに、千葉大学及び大阪大学が実践している教育について深めながら、現代社会において大学教育が果たすべき役割の変化や、育むべき力の具体的な中身、さらにはその教育上の工夫や課題など、多岐にわたるトピックについて議論が行われました。それらは、今後の本プログラム推進に向けてはもちろん、より広い教育政策・教育現場に対して示唆を与えるものであり、開催後に実施した参加者アンケートの回答からも、本シンポジウムが大変満足度の高い内容であったことがうかがえました。

パネルディスカッションの様子

八木絵香氏(大阪大学 COデザインセンター 教授)
八木絵香氏(大阪大学 COデザインセンター 教授)
小澤弘明(千葉大学副学長(教育改革)/大学院国際学術研究院長・教授/国際教養学部長)
小澤弘明(千葉大学副学長(教育改革)/大学院国際学術研究院長・教授/国際教養学部長)
片桐大輔(千葉大学学術研究・イノベーション推進機構(IMO)特任教授)
片桐大輔(千葉大学学術研究・イノベーション推進機構(IMO)特任教授)
和田健(千葉大学大学院国際学術研究院 副研究院長(企画・教育担当)・教授/国際教養学部 副学部長)
和田健(千葉大学大学院国際学術研究院 副研究院長(企画・教育担当)・教授/国際教養学部 副学部長)