知識集約型社会を支える人材育成事業 インテンシブ・イシュー教育プログラムのモデル展開

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千葉大学主催でシンポジウム『ターム制の効用と問題点 -メリハリをつけた学期制の可能性-』を開催しました。

文部科学省採択「知識集約型社会を支える人材育成事業」における千葉大学「インテンシブ・イシュー教育プログラムのモデル展開(II-BEAT)」主催で、令和6年1月17日(水)14:00~16:20に、標記シンポジウムを開催いたしました。オンライン上で、本学教職員のほか、他大学の教職員、文部科学省、民間企業等から多くの皆様にご参加いただきました。

はじめに、本学の小澤弘明理事(教育担当)より、開会挨拶を兼ねて、本シンポジウム開催の趣旨説明が行われました。その中では、ターム制(夏休み、春休みもタームと捉える6学期制)が導入された背景や目的が示され、授業形態の柔軟化、海外体験の機会増、教員の研究時間の確保など、期待される効用について説明がなされました。

続いて、和田健教授(大学院国際学術研究院長、国際教養学部長)から、「国際教養学部II-BEATにおけるメリハリをつけたカリキュラム」として事業報告が行われました。本学国際教養学部の「課題(イシュー)の解決を実現する能力を培う」コンセプトや、II-BEATで改変を行ったインテンシブに学ぶカリキュラムが示されました。また、集約タームとセルフデザインギャップタームの組み合わせにおける効果検証の必要性や、全学にむけた水平展開における課題が共有されました。

その後、他大学での実践例として、まず近田政博教授(神戸大学 大学教育推進機構大学教育センター教授、教養教育院副院長)から「神戸大学における2学期クォーター制」と題した講演をいただきました。その中では、神戸大学で同制度を導入した経緯と、学生、教員、職員からの反応をご提示いただきました。特に、どのような部分に運用への期待と難しさがあったかという具体例が示され、導入に際して共通して乗り越えるべき課題と今後のターム制運用におけるヒントをご教示いただきました。

もう1つの事例として、岡田悦典教授(南山大学副学長)から、「南山大学のクォーター制:週2回開講授業の導入と運用、及びその教育効果」と題した講演をいただきました。南山大学における、週2回授業を積極的に組み込んだクォーター制導入の経緯や具体的な運用方法について、ギャップタームに展開しているプログラムや、クォーター制導入に伴うメリット・デメリットなども含めて、ご説明いただきました。その中では、大学独自の課題が立ち現れるため、個々の状況に即して考えていくことの重要性が示されました。

休憩をはさんだ後、縣拓充特任講師(大学院国際学術研究院)をモデレーターとし、近田教授、岡田教授、和田教授および小泉佳右准教授(大学院国際学術研究院 准教授/全学教育センター)の4名をパネリストに迎えた、「ターム制の可能性と課題」をテーマにパネルディスカッションが行われました。そこでは、週2回開講を実施して得られたメリット・デメリットに関する示唆や、メリハリをつけたカリキュラム運用の展開方法、学部や領域ごとの相性や難しさなどが、神戸大学、南山大学そして千葉大学それぞれの事例を深掘りしながら議論されました。開催後に実施した参加者アンケートでは、特にクォーター制、ターム制の導入を検討している教職員からの「参考になった」という意見が多数寄せられ、この議論を引き続き深める意義を感じられるシンポジウムとなりました。

パネルディスカッションの様子

パネルディスカッションの様子